原子力発電に伴って発生する低レベル放射性廃棄物のうち、放射能レベルが比較的高い放射性廃棄物については、一般的な地下利用と比較して十分余裕を持った深さに埋設する中深度処分(地下70m以深)を行うこととしています。これまでに、大断面の地下空洞の掘削可能性を評価するため、初期の設置深度として地表から200メートル程度までを想定し、設置深度毎の初期地圧を極力、場を乱すことなく、かつ、効率的に測定できる基盤技術の開発等、地下環境を把握するための技術整備を行ってきました。
本事業では、令和 3 年 10 月に策定された規制基準を踏まえ、実際の地下環境に構築された実物大の地下空洞などを活用し、技術開発を進めます。「複数の施設設計案から放射性物質の移動を抑制する性能に優れた設計を選定すること」に対しては、人工バリアの長期的な性能の維持・向上に関する技術開発、また「坑道の閉鎖措置の方法に関する基準」に対しては、坑道閉鎖後の地下水等モニタリングに関する技術開発を進めます。
- 対象分野
対象課題
- (1)モックアップ施設を用いたモニタリング技術高度化に係る研究
中深度処分の監視測定設備に関する規制基準を参照し、モックアップ施設による長期モニタリング技術の高度化を図ります。更に、モニタリングの切り札と目される光ファイバセンサー技術のモニタリングへの適用性に関する研究を実施します。
令和7年度は、既往研究の調査・分析、5 ヵ年全体計画の策定を行うとともに、モックアップ施設によるモニタリングの在り方とそこへの光ファイバセンサー技術の適用方法について検討します。
(2)低拡散層の配合及び長期的な品質に関する研究
中深度処分における低拡散層は、移行抑制機能(低拡散性)を担保する重要な部材であり、低拡散性は、セメント系材料自体の拡散性能(緻密さ)と部材のひび割れ状態(本数、長さ、幅)に影響を受けます。ここでは、低拡散層の品質向上及び低拡散性の評価精度向上を目的として、低拡散層の配合、評価解析手法の高度化、更にひび割れ補修技術等に関する研究を実施します。
令和7年度は、既往研究の調査・分析、5 ヵ年全体計画の策定を行うとともに、低拡散層に求められる機能を踏まえたセメント系材料の配合、低拡散層のひび割れ挙動に対して適用性が高い解析手法、低拡散層の緻密化やひび割れ修復性を目的としたコンクリーション技術の適用可能性について検討します。
(3)地震時の解析技術の高度化に関する研究
地震時における中深度処分施設並びに空洞の安定性を評価するためには、施設の地震時挙動を精度よく解析できる技術を整備することが重要です。本研究では、地上と地下の地震動観測システムで取得できる地震動データ、更に起振器と受信機を用いて得られる振動の伝播データ等を利用して、施設の地震時挙動の再現性・精度向上を図ります。
令和7年度は、既往研究の調査・分析・課題抽出、5 ヵ年全体計画の策定を行うとともに、地震動観測システムの再構築計画・準備を実施します。
(4)空洞周辺のバリア性能向上に関する研究
本研究では、空洞周辺のバリア性能の向上を目的として、近年、放射性廃棄物処分への適用性が論じられているコンクリーション技術を用いて、地下水流動抑制への適用性について調査・研究を実施します。
令和7年度は、既往研究の調査・分析、5 ヵ年全体計画の策定を行うとともに、空洞周辺のバリア性能向上を目的としたコンクリーション技術の適用可能性について検討します。
- 助成金額
- 予算規模:171,000,000円を上限とします。なお、最終的な実施内容、契約金額については、経済産業省と調整した上で決定することとします。
- 助成期間
- 契約締結日~令和8年3月31日
- URL
- https://www.enecho.meti.go.jp/appli/public_offer/2024/0204_07.html