商業宇宙産業の成長や宇宙探査の進展、技術革新等に伴い、衛星コンステレーションの構築をはじめとして、国内外で衛星等を打ち上げる需要がますます増加する中で、世界的にロケットの打上げ機会が圧倒的に不足している状況にあります。近年の我が国の国内ロケットの年間打上げ機数は10機未満となっており、国内の衛星事業者の需要を満たすことができず、衛星事業者は打上げ機会を求めて、海外での打上げを選ばざるを得ないため、経済的損失や技術開発の遅れなどが生じています。
このため、国内衛星打上げ需要を満たす、高頻度打上げが可能な宇宙輸送システムの構築は喫緊の課題となっているが、これは単独のロケットのみでは実現が困難であるため、複数ロケットへの供給も視野に入れた部品・コンポーネント、燃料等のサプライチェーン強化が必要となります。サプライチェーンの維持の観点からも、供給体制に見合った需要規模が必要であり、部品・コンポーネントの性質に応じて各ロケットのサプライチェーンの協調化の視点を持つことは重要です。加えて、衛星事業者のさまざまなニーズに対応するためには、ロケットの打上げ能力や衛星搭載効率の向上、打上げ価格の低コスト化等も併せて必要となります。
これらの課題を解決するため、本テーマでは国際競争力のある高頻度打上げを実現するロケット部品・コンポーネント等の量産化・小型軽量化・低コスト化等の技術開発を支援します。これにより、我が国の宇宙輸送システムにおける自律的かつ持続的なサプライチェーンの構築を目指します。