月面は、世界各国において探査活動・開発活動の対象となりつつあり、2040 年までに世界の月関連の市場規模は 1,700 億米ドル(約 27.3 兆円)に達するという試算も存在します。この大きな市場も見据え、将来の月面経済圏の創出に伴う経済的機会を確実に捉えるためには、将来的な民間活動の段階的な発展による経済圏の構築を想定した上で、そのファーストステップとして全ての月面活動の前提となる月面環境に関するデータや月面での重要技術等を早期に獲得することが有効です。また、これらを通じて、我が国が国際的なプレゼンスを発揮し、月面での活動実績を積み重ねることが、将来的な月面活動における国際規範・ルール形成、国際市場の獲得等に向けて極めて重要です。
このため、本テーマでは、与圧ローバや日本人宇宙飛行士の月面着陸等の今後予見される国内外の月面活動を視野に、産学の主体的な月面インフラ構築に資する要素技術の開発を推進し、民間活動を通じた月面環境分析(アセスメント)及び重要技術の早期実証を進めます。その際、月面への輸送コスト等とのバランスにも勘案し、小型で早期に成果が創出でき、今後の月面活動の基盤として活かせる技術開発を対象とするとともに、産学の技術を最大限活用するための非宇宙分野からの参入を促進します。